TREZOR(トレザー)の安全性は?特徴や「ビギナー」と「Model T」の違い/使い方

TREZORとは?


仮想通貨やNFTをオフラインで管理出来るハードウェアウォレット
仮想通貨やNFTを管理するためのウォレットは多くの種類に分けられていますが、大まかに分けると以下の通り。
- 自分で管理するタイプor管理してもらうタイプ
- オンライン上で管理orオフラインで管理
TREZORのようなハードウェアウォレットはオフラインで自分で管理するタイプにあたります。



ウォレットは種類分けが多くかなりややこしいが、ざっくりいうとこんな感じだ。詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にしてくれ。


メタマスクなどに比べてハッキングリスクを大幅に軽減出来る
メタマスクなどのオンライン上のウォレットはハッキングのリスクが常に存在します。
しかし、TREZORはオフラインでデータを保管するため、インターネット上のハッカーから遠ざけることが可能で、ハッキングのリスクを大幅に抑えられます。



オンライン上で管理している場合は常にハッキングのリスクと隣り合わせだ。
高額NFTや大量の仮想通貨を保管しておくのに最適
資産の価値が高くなるほどセキュリティの重要性は増します。
高額のNFTや大量の仮想通貨を持つユーザーにとって、TREZORはその資産を安全に保護する手段として最適です。
ハッキングのリスクを最小限に抑え、安心して資産を管理できます。



逆に言えば、少額しか取り扱わない場合はTREZORなどのハードウェアウォレットはそこまで必要というわけではない。
安全性について


2013年のリリースから一度も不正にハッキングされたことがない
TREZORは2013年のリリース以降、継続的なセキュリティのアップデートとともに、不正なハッキングやセキュリティ侵害の報告を受けていません。
これは、そのセキュリティの堅牢さとデバイス上で完全に秘密鍵を隔離していることの証明となります。
さらに、TREZORはオープンソースとして設計されており、全世界の専門家からのレビューとフィードバックを受け取り、そのセキュリティを継続的に強化しています。
このような取り組みはTREZORの信頼性と安全性を高めています。



注意点としては、これはあくまでハッキングについての話で、フィッシング詐欺などは別だ。フィッシング詐欺はハードウェアウォレットを使ったところで防げる確率は全く下がらない。
TREZORはハードウォレットの元祖
TREZORは2013年にリリースされた初のハードウェアウォレットとして知られています。
2014年にリリースされLedgerシリーズよりも歴史は古く、国内での普及は若干Ledgerシリーズに劣っていますが、世界的にはかなり知名度の高いハードウォレットです。



国内ではレジャーの方が人気だが、海外ではトレザーの利用者もかなり多い。
TREZORの特徴


Ledgerでは対応していないNEM/MONAなどの草コインにも対応
TREZORではLedgerでは対応していない「ネム(NEM)」や「モナ(MONA)」などに対応していることが強みです。
ちなみにTREZORは以前まで「リップル(XRP)」に対応していませんでしたが、現在では「リップル(XRP)」にも対応しています。
主要チェーンには全て対応&対応通貨/トークン1,500種類以上
TREZORはLedgerと比べて対応通貨/トークンの種類自体は少ないものの、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主要チェーン(ネットワーク)には全て対応しています。
対応通貨/トークンも1,500種類程度と十分に豊富です。
一部日本語対応&Ledgerと遜色ないセキュリティレベル
セキュリティ面に関してはLedgerと大きな差はありません。
また、TREZORは日本代理店サイトで扱われている部分は完全日本語対応となっていますが、本体やアプリの操作、細かいサポートなどは全て英語なので、その点の使いやすさは若干Ledgerに劣ります。
「ビギナー」と「Model T」の2種類ある
TREZORには「ビギナー」と「Model T」の2種類あり、それぞれ価格や機能は一部異なります。
ビギナー | Model T | |
---|---|---|
価格 | 14,800円 | 24,800円 |
対応デバイス | Android/Windows PC/Mac (※MacはUSBハブが必要) | iPhone/iPad/Android/Windows PC/Mac (※iPhone/iPadはSDカードリーダーが必要) (※MacはUSBハブが必要) |
サイズ/重さ | 高さ60×幅30×厚み6/重さ12g | 高さ64×幅39×厚み10/重さ22g |
SDカード | ||
タッチパネル |
「ビギナー」と「Model T」の大きな違いはSDカード&タッチパネルに対応しているかどうかです。
TREZORの操作用アプリはPCのみ対応、加えてコネクタはUSB-Cなので、iPhoneユーザーが「ビギナー」を利用する場合はPCが必須になります。
PCに関しても、Macの場合はUSBハブ(変換アダプタ)が必要になるので、その点も注意が必要。
AndroidやWindows PCであればそのまま接続が可能です。
ちなみにTREZORはスマホアプリも配信されていますが、スマホアプリはトランザクション(取引履歴)の閲覧のみなので操作は出来ません。
また、「ビギナー」はタッチパネルに対応していないのでボタン操作になります。
- Androidユーザー。
- Windows PC持ちのiPhoneユーザー。
- USBハブ持ち(または購入予定)のMac&iPhoneユーザー
- iPhoneユーザーでPCを持っていない。
- iPhoneユーザーでMac持ちだけどUSBハブは持っていないし買いたくない。



ちなみにトレザー公式では「スタートアップコンサルティング」なるサービスが提供されているが、これはPCの初期設定サービスみたいなものだ。そういうサービスが必要だと思う人には必要だが、基本的には使い方は調べれば出てくるし、細かいことも公式のサポートで質問すれば返ってくる。
デメリット:「ビギナー」はAppleユーザー向きじゃない
「TREZOR ビギナー」は価格は安くなっていますが、上記で説明している通りAppleユーザー向きではありません。
特にPCを持っていないiPhoneユーザーの場合は「ビギナー」を買っても意味がないので注意が必要です。



PC持ちじゃないiPhoneユーザーは「Model T」、または他のハードウェアウォレットがお勧めだ。
デメリット:「Model T」はBluetoothではなくSDカード対応
「TREZOR Model T」はSDカードに対応しているのでスマホでも操作が可能ですが、その際はSDカードリーダーが必要になります。



SDカードリーダーを持っていない、かつ買うつもりもないなら特に注意が必要だ。
デメリット:ステーキングには非対応
TREZORはステーキングには対応していないので、Ledgerと比較すると機能面ではその点にも違いがあります。



ステーキング対応のハードウォレットが欲しい場合はトレザー以外がお勧めだ。
基本的な使い方


「TREZOR」の基本的な使い方は以下の通り。
初期設定
- 専用アプリをダウンロード。
- パスワード(PINコード)の設定。
- リカバリーフレーズ(シードフレーズ)の確認と保存。
まずはTREZOR公式が配信している専用アプリをダウンロードします。
その後、アプリ内でPINコード(ログインパスワードのようなもの)を設定し、リカバリーフレーズ(復元/バックアップ用のパスワード)を確認&保存します。
リカバリーフレーズは写真やスクショなどのオンライン上の保存ではなく、紙に書くなどオフラインでの保存が鉄則です。



リカバリーフレーズをオンライン上に保存にして流出⇒ハッキングという被害は嫌というほど起きている。せっかくハードウェアウォレットまで買っているのだから、ここは絶対に徹底しておこう。
他のウォレットから仮想通貨やNFTを送る
初期設定が完了したら、現在仮想通貨やNFTを管理しているウォレット(メタマスクや取引所のウォレットなど)からTREZORへ、TREZORで保管したい分を送ります。
この際、送信先のウォレットアドレスを間違えてしまうと二度と戻ってこなくなる可能性が高いので、十分に気をつけましょう。



最近はウォレットアドレスを間違えさせるようなフィッシング詐欺も流行っているので注意しよう。


利用する上でのポイントや注意点


TREZOR自体は極力オンラインに繋がない
「TREZOR」の安全性はオフラインでの使用により高まります。
DEX(分散型取引所)などに直接接続せず、繋ぐ場合も決済用のホットウォレット(メタマスク)を経由するなどして、「TREZOR」自体のオンライン接続を最小限に保つことが推奨されます。



イメージとしては、トレザーはあくまで金庫として使い、金庫のお金が必要になったら財布(メタマスクなど)に移してから使うという感じだな。
中古品や非公式サイトでの購入はウィルスの危険があるので絶対にNG
中古品や非公式サイトでの「TREZOR」の購入は絶対に避けてください。
これらの製品にはウィルスが仕込まれている可能性があり、資産のセキュリティを危険に晒します。
必ず正規店で新品を購入しましょう。
また、自身のウォレットの売却もNGです。
これにより第三者があなたの秘密鍵にアクセスするリスクがあります。



今後、スマホやPC買取業者のように個人情報やセキュリティを保護した上で信用できるウォレット専用買取業者が出てくるかもしれないが、現状は個人でのウォレットの売買は非常にリスクが高いのでやめておいた方が良いだろう。
デバイスが壊れてしまったら
「TREZOR」が壊れてしまった場合はまずリカバリーフレーズ(シードフレーズ)を使って新しく購入したデバイスに資産を移しましょう。※ハードウェアウォレットが壊れてしまったとしても、ハードウォレット内で保管されている仮想通貨やNFTがなくなるわけではありません。(仮想通貨やNFTは厳密に言えばウォレット内に保管されているというわけではなく、ブロックチェーン上に存在している仮想通貨やNFTへのアクセス権である秘密鍵をウォレット内で保管しているため)
これにより、ハードウォレット内で保管されていた仮想通貨やNFTを新しいウォレットで復元し、管理/利用することが可能になります。



互換性のあるウォレットであれば他のウォレットで復元することも可能だが、トレザーは互換性がないので、壊れてしまった場合は新しくデバイスを買い直す必要がある。
紛失、または盗難されてしまった場合
「TREZOR」を外出先などで紛失してしまうと、最悪の場合仮想通貨やNFTが盗まれてしまう可能性があります。
まずは気づいた段階ですぐに新しいウォレットに秘密鍵をインポートし、資産を確認しましょう。
資産が残っていた場合はひとまず安心ですが、秘密鍵やリカバリーフレーズの情報が盗まれてしまっている可能性もゼロではありません。
そのため、一度他のウォレットに資産を移してデバイスの初期化(またはリカバリーフレーズの再設定)を行いましょう。



紛失や盗難に関しての詳しい対処法はTREZOR公式サイトで最新の情報を確認してくれ。
他のハードウェアウォレットと比較
![]() ![]() Ledger Nano S Plus | ![]() ![]() Ledger Nano X | ![]() ![]() TREZOR ビギナー | ![]() ![]() TREZOR Model T | ![]() ![]() CoolWallet S | ![]() ![]() CoolWallet Pro | |
---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 12,499円 | 23,999円 | 14,800円 | 24,800円 | 99ドル | 149ドル |
対応デバイス | ・Android ・Windows PC ・Mac (※MacはUSBハブが必要) | ・iPhone/iPad ・Android ・Windows PC ・Mac | ・Android ・Windows PC ・Mac (※MacはUSBハブが必要) | ・iPhone/iPad ・Android ・Windows PC ・Mac (※iPhone/iPadはSDカードリーダーが必要) (※MacはUSBハブが必要) | ・iPhone/iPad ・Android | |
対応通貨/トークン | 5,500種類 | 1,500種類 ※ネム(NEM)やモナ(MONA)にも対応。 | 10,000種類 | 12,000種類 | ||
NFTの管理 | ||||||
Bluetooth | ※SDカード対応 | |||||
ステーキング | ||||||
バッテリー | 約8時間 | 1日2トランザクションで2週間持続 | ||||
日本語対応 | ||||||
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |



どのハードウォレットが良いかについては、セキュリティ面に関してはそこまで差はないので、対応通貨やデバイス、NFTの管理やステーキング機能が必要かどうかなどによる。



トレザーにはトレザーの良さがあるが、トレザーは一部のNFTに対応していなかったりもするし、互換性は全体的な使いやすさは正直レジャーの方が圧倒的に上だ。



特に細かいこだわりがないのであれば、iPhoneユーザー以外は「Ledger Nano S Plus」、iPhoneユーザーは「Ledger Nano X」か「CoolWallet Pro」が使いやすいし、機能面でも充実しているのでお勧めだ。
まとめ
今回の内容で重要なポイントをまとめると以下の通り。
- TREZORは高額NFTや大量の仮想通貨を保管しておくのに最適。
- 2013年のリリースから一度も不正にハッキングされたことがなく安全性は◎。
- Ledgerでは対応していないNEM/MONAなどの草コインにも対応。
- 主要チェーンには全て対応&対応通貨/トークン1,500種類以上。
- 日本語対応は一部でステーキングには非対応。
- 「ビギナー」と「Model T」の2種類あり、「ビギナー」はAppleユーザー向きじゃない。
- 「Model T」はBluetoothではなくSDカード対応。



何度も言うが、ハードウェアウォレットはあくまでハッキングのリスクを下げるものであって、フィッシング詐欺から守ってくれるものではないのでその点は注意だ。